日本が世界に誇るRPGゲームの1つでもある『ファイナルファンタジー』シリーズ。そんな大人気シリーズの最新作『ファイナルファンタジー XVI』が今年の6月22日にPS5で独占発売されました。それから約二か月たった現在、売り上げ本数が伸び悩んでいるようです。今回はその理由についてまとめてみました。
FFシリーズ
1作目は1987年にファミコンのソフトとして発売。開発/発売をスクエア・エニックス(旧スクエア)が担当しているRPGで、洗練されたインターフェイスをほかのRPG作品よりも先駆けて使ったというすごい作品なんです。当時のゲームには珍しかった要素が組み込まれ、多くのプレイヤーの心を鷲掴みした作品でした。その人気っぷりは凄まじく、FFシリーズのタイトル作品の尋常ならざる多さからギネスブックにまで記録されています。
FFシリーズの特徴
FFシリーズの特徴といえば剣や魔法といったファンタジー要素が頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。実際にそういった世界観の世界を舞台に仲間を集めながら冒険していく王道のRPG作品です。作品によっては、アクション要素の多いものやオープンワールドのものなど、毛色やシステムが違うものも存在します。プレイヤーをア金とさせる開発側の配慮が伝わってきますね。
ゲーム内容もそうですが、FFといえば「音楽」です。神曲と言われる曲が数多く存在し、クリスタルの音色に至っては、プレイしたことのない人でも一度は聞いたことがあると思います。グラフィックや世界観をより引き立たせ、ゲームの中に引き込まれるような没入感がいいですよね。
ナンバリングタイトル最新作
本作は2016年に発売された前作のナンバリングタイトル「ファイナルファンタジー XV」から6年、タイトル発表から2年経ち、ようやく発売されたタイトルです。
今作のプロデューサーを務めたのは、不評だった「FF14」を蘇らせた人、そしてシリーズのプレイヤーとしても有名な吉田直樹氏。ディレクターを務めるのは数々のFFシリーズに携わった高井浩氏。このファンからの支持が厚い2人が手掛けたファイナルファンタジー新作、それが『ファイナルファンタジー XVI』です。
ゲーム概要
今作のテーマは「クリスタルの加護を断ち切るための物語」。
クリスタルの加護を受けている大地「ヴァリスゼア」は6つの国(ロザリア公国、ザンブレク皇国、ウォールード王国、ダルメキア共和国、鉄王国、クリスタル自治領)からなっている。この6つの国が均衡を保てているのはマザークリスタルと呼ばれるクリスタルの巨塊の存在が大きいからである。
しかし、平穏な日も長く続くことはなく、「黒の一帯」という謎の現象によって元々危うかった均衡が崩れてしまう。均衡が崩れた6つの国々は、マザークリスタルを巡って戦争が勃発。「ロザリア公国」第一王子のクライヴ・ロズフィールドは、突如現れた謎の召喚獣「黒きイフリート」によって大切なものを奪われてしまう。
今作は、第一王子クライヴの復讐劇がテーマのダークファンタジー強めの物語になっています。
売り上げ本数が伸び悩んでいる理由とは
ゲームについて少し紹介したので売り上げ本数が伸び悩んでいるとされる理由をいくつかまとめてみました。
PS5の普及率がそもそも低い
まずゲームをするために必要なのは「ハード」、いわゆるゲーム機です。本作の『ファイナルファンタジー XVI』はPS5のソフトなのでPS5が無ければプレイすることができません。現在どれほどの人がPS5を持っているのか、今年の3月時点では、PS5の出荷数は3800万台でした。そして、FF16は6月に発売され数日で全世界300万本の売り上げ記録を残しています。
ゲーム業界では、ハード普及数に対しソフトの売り上げが10%以上を超えれば成功と言われています。発売初週の累計販売本数は全世界で300万本を突破、国内でも33万本以上を記録しているため、成功していると言えるでしょう。
他のハードに比べれば現在も値段が高いPS5は、簡単に手を出せるようなゲーム機ではありません。そして昨今の多くのゲームタイトルは様々なプラットフォームに対応しています。他のハードを持っている中、わざわざ高いのを選ぶ理由もそこまでありません。そのため、PS5の普及率が伸び悩んでいれば、FF16 売れないのは妥当なのではないでしょうか。
本作は"オープンワールド"でも"コマンド式"でもない
もう一つの理由が、FFシリーズの特徴ともいえる"コマンド式"ではないという点。今作はナンバリングタイトル初のアクションRPGということもあり、従来のファンを切り離しているのではないかというものです。新しい試みにでた開発陣も覚悟のうえでの決断だと思いますが、この方向転換が裏目に出てしまったのではないでしょうか。
そして本作はオープンワールドでもありません。オープンワールドのゲームが主流と言っても過言ではない現在、リニアな作りで発売されたため、ゲーム業界のトレンドに逆行しているのではないかという理由です。
配信でお腹いっぱい
昨今のゲームの中には、現在頻繁に行われているゲーム配信で配信できない「配信禁止区域」というものが多々あります。実際にプレイヤーが自分で買って、プレイして楽しんでもらうために施されているものですが、本作FF16ではそれがありません。
FF14の際に海外の配信者をきっかけに爆発的にプレイヤー数を増やしたという実例があるため、いまだにそうなっているのかもしれません。しかし、オープンワールドではなく、ストーリー重視のリニアな作品ともいえる本作、配信を見ればそれで済んでしまうというプレイヤーも少なくありません。
まとめ
これらの理由から、ファイナルファンタジーXVIの売り上げが伸び悩んでいるのではないかと推測しています。他のタイトルでもそう言われていた時期があっため、今後どのようになっていくのか注目です。