何故メタバースに注目が集まる?

「メタバース」が注目を浴びている。Meta(元Facebook)など米テック企業を中心に、メタバースへの投資が加速。ブームへの期待感が高まっている。

そんな中、注目されているのが3D仮想空間「Second Life」だ。今から20年も前、2002年にメタバースを構築した、まさに“老舗”だ。

Second Lifeは、コンテンツのほぼすべてをユーザーが作成している、3Dの仮想空間だ。現在メタバースと呼ばれるものの、ほぼ全てがここにあったし、今もある。

日本でも15年ほど前……2006~07年に、Second Lifeブームが急速に立ち上がり、1年ほどで一気に沈んだ。このため、サービスの失敗例として挙げられており、「早すぎたメタバース」などとやゆされることもある。

だがSecond Life自体は今も、当時とそれほど変わらない姿で稼働しており、日本を含む世界中のユーザーが、コミュニケーションしたり、ものを作ったり売ったり、イベントを開いたりして、その中に生きている。

Second Lifeは“すべてをユーザーが作成する”仮想空間

Second Lifeは、PC専用の仮想空間アプリケーションで、2002年にベータ版がリリースされ、03年に正式公開された。

決められたストーリーや目的はない、いわばオープンワールドだ。街や建物、乗り物、家具など、世界のほぼすべてが、ユーザーの手によって作られ、ゲーム内での目的も、ユーザー自身が決め、ユーザーは、3Dアバターで世界中を観光したり、出会った人と会話したり、乗り物に乗ったり、居酒屋でダベったり、クラブで踊ったり、まさに第2の人生(Second Life)を、仮想空間で謳歌できる、というわけだ。

ブームはメディアが作り上げた

日本では、06年末に日本経済新聞が1面に記事を掲載したことでブームに火が付いた。日本の企業も次々に参入。電通がSecond Life内に複数の島を確保し、“バーチャル東京”をオープンしたことは大きな話題に。日本でも、企業による参入と、メディアによる報道が相次いだ。

とはいえ、2007年当時の、Second Lifeのアクティブユーザー数は約100万人、同時接続数は数万程度。登録・アクティブユーザー数とも当時のmixi(2007年3月でアクティブユーザー約600万人)にすら劣っていたし、現在のグローバルサービスとは比較にならないほど小規模だ(例えば、Facebookの月間アクティブユーザー数は28億人、「フォートナイト」は最大同時接続1230万人)

まとめ

ゲーム内通貨「リンデンドル」は米ドルと互換性があるため、ゲーム内で得た収益で、現実世界の生活費をまかなう――という人も。空間内の“土地”(島=「SIM」と呼ばれるサーバ。運営元からレンタルできる)の売買で富を蓄積したユーザーも現れた。

2022年現在は、VRChatを筆頭に、既に多数のユーザーを集め盛り上がっている3D仮想空間サービスが多数ある。コミュニティーやコンテンツの売買サービスも、当時とは比較にならないほど多様になっており、スマートフォンやタブレットなどの端末も普及した。

メタバースとしてのSecond Lifeには、可能性がある。だが、激変した競争環境の中で、Second Lifeが選ばれるサービスになり、さらに成長するためには、かなり大きな変化が必要なのではないか――という印象です。

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